142SPORTS EQUIPMENT CATALOG Vol.128表面処理鉄への防錆処理として、電気亜鉛メッキ処理後、クロメート処理により亜鉛に防錆皮膜を生成させる方法をとっています。JIS 規格では、光沢クロメート処理を1 種、有色クロメートを2種とし、クロメート皮膜の厚みをなど級で区別しています。当社では、電気亜鉛メッキ2種4級(皮膜厚13μm以上)を、塗装前の処理としてほとんどの鉄製品に施しています。電気亜鉛メッキ鉄と亜鉛の合成反応を利用した皮膜で、ドブ浸けメッキとも呼ばれることもあるように、460度以上でドロドロに溶けた亜鉛のプールの中に鉄を浸けて、亜鉛メッキを施す方法です。その際に、鉄と亜鉛が合成反応を起こし、強く結びつくことで、強固な皮膜を形成することができます。特に防錆効果を期待する沿岸地域や、過酷な条件下で使用する製品などに採用しています。溶融亜鉛メッキアルミニウムは、大気中の酸素と結合して、表面に酸化アルミニウムの皮膜を形成して、素材の腐食を保護する特性を独自に有しています。酸化アルミニウムの皮膜は安定した環境でないと形成できないため、あらかじめ人工的に酸化アルミニウムを厚くして、硬く強固な酸化皮膜を作ります。この電気化学的表面処理をアルマイト(陽極酸化)といいます。アルマイト(陽極酸化)鏡面に近い光沢を持った仕上げで、圧延材を400番バフによって研磨仕上げしたものをいいます。美しい仕上げ面が得られるため、ステンレス鉄棒に採用しています。#400番研磨長く連続した研磨目を持った仕上げで、適度な粒度(通常は150~240番の砥粒が多い)の研磨ベルトで、髪の毛の様な研磨目を付けて仕上げたものです。つや消しの様なきれいな仕上がりで、ステンレス製品のもっとも一般的な仕上げ方法です。当社では、テニスポストなど多くのステンレス製品に採用し、高機能に相応しい製品として仕上げています。HL(ヘアライン)樹脂系材料メラミン化粧板は、芯材に熱硬化性樹脂の一種であるフェノール樹脂を染み込ませた紙を重ね合わせて用い、表面を家具や机などの表面に用いられるメラミン樹脂で覆い、高温・高圧で固めたものです。硬度が高く、耐水性、耐衝撃性などに優れ、焼却時には有害物質を発しません。当社では、木材やFRP に代わる環境素材として、スーパーバウンダーや審判台の座板に採用しています。メラミン化粧板ポリエチレンフォームは、ポリエチレンシートを特殊な製法で5~40 倍に発泡させた素材で、それぞれの泡が繋がってない独立気泡構造となっています。穴が繋がっていないため、水を掛けてもスポンジのように吸水せず、元の形を保ち続けることができます。当社では、多くの防護マットに採用し、屋外の環境下で長く使用できる製品を提供しています。ポリエチレンフォーム(独立気泡構造)ウレタンチップモールドは、ソファーやマットレスなど一般に広く使われている緩衝材です。ウレタンの端材を粉砕して、接着剤と混ぜ合わせたものを金型に入れ、熱を加えて圧縮して成型したものです。ポリエチレンフォームと比較して柔らかく、衝撃吸収性が良いという特徴を持っています。当社ではその衝撃吸収の高さを活かし、塁ベースの芯材などに使用しています。ウレタンチップモールドポリカーボネイトは、カーポートの屋根、車のヘッドランプレンズ、スーツケース、ゲーム機のボディー、ポットやアイロンなどに使用されています。プラスチックの中では優れた耐衝撃性を発揮し、高温や低温に強く、難燃性にも優れた透明性のある材料なので、幅広い分野に使用されています。当社では、J ボックスの屋根材や文字板の材料としてその特性を活かしています。ポリカーボネイトアルミ樹脂複合板は、芯材の樹脂をアルミ板でサンドイッチした材料です。アルミ単体よりも軽量で加工しやすく、一般的に看板や壁面のパネルなどに使用されています。当社では、ボールなどが当たっても割れにくいという特性を活かして、注意書板やコートナンバー、スコアボードや45分計の表示板として採用しています。アルミ樹脂複合板(アルポリック板)天然ゴムは、天然のゴム樹から採取された樹液を、精製・製造したものです。高強度、耐摩耗性、耐寒性などに優れており、タイヤ・ベルトなど様々な用途に利用されています。一般的にピッチャープレートやホームベースは合成ゴムから製造されますが、当社では、ハイグレードモデル製品「PROSPEC」に天然ゴムを主材として用いています。天然ゴムの配合により高強度・高耐久を実現しています。NRゴム(天然ゴム)参考資料(素材、表面処理、塗装について)金属材料アルミニウム合金は、比重が2.7と鉄(7.8)の約1/3で非常に軽量です。アルミは弱いとイメージされがちですが、航空機や電車などでも使用される鉄と同等以上の強度を持ったものもあります。表面に酸化皮膜が形成され、自然に腐食を防止する性質を持っています。さらに加工性が良く、アルミサッシのレールの様な複雑な形状にも成型できます。当社は、より安全で高耐久のスポーツ器具に適していると考えられるアルミの採用を積極的に推進しています。ステンレス鋼は、熱に強い、錆にくいなどの優れた特徴があり、台所のシンクなど日常生活においても広く使用されています。アルミと同様に、表面に酸化皮膜を自然に形成して腐食を防ぎます。また材料本来の質感を活かすことができるので、様々な表面仕上げ処理をされた製品がつくられています。これらの特徴を活かした製品のひとつに、Good Design 賞を受賞した当社のステンレス鉄棒があります。美しい外観を保ったまま長くご使用いただける代表的な製品です。アルミニウム合金ステンレス鋼鉄は、安価で溶接性、加工性などに優れていることから、一般に幅広く使用されている金属です。一般に鉄は、表面が錆やすく、屋外で使用する際には、メッキ処理や塗装などの処理が必要になります。当社では、スコアボードに用いる鉄板は、ボンデ処理(リン酸皮膜処理)を施した上に塗装処理をした、防錆性の高いボンデ鋼板を使用しています。「錆び」とは、金属が酸素などと化合してできる化合物のことです。鉄の場合は、空気に触れると表面に茶色の錆び(酸化鉄)ができて腐食が進行してしまいます。それに対しステンレス鋼は、空気に触れることで、表面に科学的に安定した酸化皮膜を形成します。その皮膜が、あらゆる媒体を遮断するので、周辺環境と反応しにくくなり、耐食性が強くなるという性質を持っています。アルミニウム合金の場合も同様です。このふたつの素材は、自らが緻密な保護膜を形成し、錆びにくい安定した状態を作り出していることになります。さびの話鉄よりクオリティーの高い商品開発をめざして当社では、屋外のスポーツ器具に求められる機能性や耐久性を考慮して素材の選定を行っています。また素材の持つクオリティーを活かす表面処理や塗装を含めた加工方法を追求し、より安全で高耐久なスポーツ環境の実現を目指しています。
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